恵那の初夏、明智回想法センターから見える山々、田んぼの脇、畑の隅に大きな葉を風にゆらゆらなびかせる朴の木の多さに驚かされます。朴葉について調べていくと、恵那市の朴葉寿司は「文化庁の100年フード」に認定されており、伝統“江戸時代から続く郷土料理”に含まれています。
そこで当センターでは近くのお母さん、昭和12年生まれと15年生まれの方を先生に迎え、朴葉寿司つくりの体験をすることにしました。材料は朴葉の葉、米1升、炊飯用昆布、錦糸卵、シイタケの煮物、寿司酢、きゃらぶき、でんぶ、紅ショウガ、しその実、あみ佃煮等々10種類の具を用意して、シイタケの煮方から教わり、毎日食事の支度をしている若いお嫁さんからも「へー!」とか「知らなんだ!」という声が聞こえていました。具の用意が出来ると、すし飯の用意、酢の調合から何もかも手取り足取り教えていただき、朴葉の葉を酢で拭き、すし飯を乗せ5センチから6センチ四方の上に色とりどり10種の具をのせ、穂先の方から四方を包み込む・・・朴葉の葉の香りがして、食べる際に葉を開いた時の彩の良さ、幼少期の頃おばあちゃんに作ってもらった時と同じ味がして、懐かしく、天下一品でありました。
写真と文 吉田あけみ
※シルバー総合研究所は、恵那市明智回想法センターの管理運営を行っています。