クリスティーン&ポール・ブライデンさんからのメッセージ

9月18日(土)13時から1時間、クリスティーン&ポール・ブライデンさんをお迎えして、「第13回 ジオ・ボイス一周年記念特別企画「クリスティーン・ブライデンさん,ポール・ブライデンさんをかこんで」をおこないます。

先日その打ち合わせで、クリスティーン&ポール・ブライデンさん、通訳の大谷純子さんと私(桑野)でZoomを使ってお話をさせていただきました。

クリスティーンさんの近況では、今のコロナ禍をとても心配して、不安を感じているとのことでした。親しい人とのスキンシップ、孫と会うこと、外出することが長く制限されている。皆マスクをしているので表情がわからない、などを例に出して話しておられました。

たしかに今は、認知症をもつ人にとっては大変不安を感じる状況なのだろうと改めて強く感じました。勉強会ではそのこととともに、もし可能であれば、少し未来のことや、希望についてお話していただけますか、とお願いました。すると少し考え込んでから、日本に関連することで言えば、フェースブックで佐藤雅彦さんが、自分で描かれた絵や、喫茶店でお茶している写真などを毎日アップしていて、それを見ると心が休まるとおっしゃっていました。

そこで早速、佐藤さんにそのことを伝えたところ、当日参加していただけることになりました。お二人の話を聞いてみたいと思います。また後日、ポールさんが「希望」について考えていることを、大谷さんにメールしてくれたとのことでした。許可をいただいたので、その文章をご紹介したいと思います。当日は、「希望」についてもお話を伺いたいと思います。

(以下、ポールさんから大谷さんへのメール)

Hi Junko

Great to se you.  For information, here are some thoughts on ‘hope’ which I have offered to one or two people recently. 

Christine also wants to raise ‘Moments of wellbeing’ during the online meeting.  We were very impressed during a visit to a Nursing Home in Canberra with Yuji in 2004 with the way Staff always said ‘Hello’ to a Gentleman sitting in the corridor, even they might have talked with him / acknowledged him man, many times!  At the end of the day, he had many ‘moments of wellbeing’, acknowledging him as a person.  Happy day!

「ひとときのウェルビーイング」について、オンライン会議でもぜひ触れたい。

2004年に、川村さんとキャンベラの施設を訪問したときに、スタッフが何度もその男性の前を通るたびに、「Hello」と言っていたことを印象深く覚えている。スタッフにとっては繰り返しですが、男性にとっては、その日1日、幾度かの、「ひとときのウェルビーイング」があったことになる。

My thoughts on hope:

Hope is not something usually associated with an incurable disease, where only symptomatic relief is available from the medical profession until (however unlikely!) a cure for one or other of the 120 or so brain diseases that come under the umbrella term dementia.

希望とは、ふつう不治の病とは無縁のものです。認知症と呼ばれる120以上の脳疾患のうちの1つまたは複数の疾患を治療することができるようになるまでは、(どんなに可能性が低くても)医療専門家による対症療法しかありません。

Yet hope is something which permeates most if not all of Christine’s books and published writings, and presentations to Conferences and groups since 1997.

しかしながら、クリスティーンの本や講演には、希望が常に通奏低音にある。

The hope is that of helping others, watching her grandchildren grow up, maintaining loving relationships with family and friends, growing closer to the Divine on our shared journey, living each day as best as she (we) can, making each day our best day – it might be our last day!

希望とは、ほかの人を助けたり、孫たちの成長を見守ったり、友人家族と温かい絆を保ったり、神さまとの人生を深めたり。一日一日を最良の一日として過ごすこと。今日が最高の一日であるようにすること。今日が最後の一日かもしれないから。

Hope might be looking forward and applauding what we can do, rather than looking backwards fretting over what we can’t do.  That particularly relates to family members!  How often do you hear ‘we’re losing her…’  She’s not lost, she’s still there, just finding difficulty with the environment, speech or whatever. She is not deaf!  He will be aware of family, friends and warm presence.  Christine’s most recent book, Will I still be me? focuses on the continuing sense of self in people with dementia, even in the later stages.

希望とは、できることを楽しみにし、たたえること。できないことを振り返ることではない。特に家族にはこれが大事。よく「もう以前の人ではない」という言葉を聞きますが、そんなことはない。環境にうまく慣れない、言葉がうまく出てこない。そんな状況にあるだけ。決して、耳が聞こえないわけではないのです。家族や友人の温かい存在はちゃんと意識できているはず。最新のクリスティーンの本「Wil I still be me?」では、認知症が進行した人であっても、「その人らしさ」が続くということを訴えている。

Hope might be putting aside the medical prognosis and asserting our individuality.  All dementias are different and highly personal.  There is good evidence that the brain can rewire itself to cover for losses in one part, given support and encouragement.  In the early years, after diagnosis, get retested annually.  The downhill slope might be quite gentle…

希望とは、医学的予後はさておき、一人ひとりの個人に焦点をあてること。認知症といっても一人ひとり異なり、個人によってさまざま。サポートや励ましがあれば、ある部分の脳の機能が失われても別の部分のリワイヤリングで、カバーできるということも証明されつつあります。診断初期は、特に定期的に検査を受けてください。機能低下のカーブは思ったよりもゆっくりの可能性があります。

Hope might be noting that of the 12 people with dementia (from Canada, Australia, Hawaii, USA) who met in 2001 in Montana to establish the internet support group Dementia Advocacy Support International (DASNI), 11 remain alive and active, declining slowly (old age is catching up!).

希望とは、2001年にモンタナで出会い、Dementia Advocacy Support Internationalを結成した12人のうち、11人は生き生きとして活動していて、機能低下はゆっくりであること(高齢化はつきもの!)。

Hope (for Christine) might be noting that her first prognosis was to get her affairs in order (age 46), five years to a Nursing home then three years to death.  That was 26 years ago.  Hope turned out to be feeling better after two years of depression (common after a diagnosis) and going out and getting married (1999)!

(クリスティーンにとって)希望とは、26年前、当時(46歳)の予後は身辺整理をし、5年後には施設へ、その3年後には死だったところを、2年のうつ状態を経て(診断後によくみられる症状)、活動し始め、結婚したこと(1999年)!

But don’t overemphasise anyone else’s achievements to someone with dementia, as everyone is so very different.  Never say (or think)  – ‘if she can do that, why can’t you?’…We are all different.  Find what it is that gives a spark and a smile.

しかし、だれかの成功を誇張するのはダメ。一人ひとりがちがうから。「あの人にできるのに、なぜあなたはできないの」と決して思ったり言ってはいけない。一人ひとり、それぞれ。あなたにとって、ときめきをくれ、笑顔になるものはなんですか。それを見つけてください。

See you

Paul

9月18日 『ジオ・ボイス〜医療・介護の最前線トーク』の参加お申込みはこちらから。

クリスティーン・ブライデンさんのホームページはこちら

佐藤雅彦さんのフェースブックはこちら

文 / 桑野康一

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