認知症講座&ディスカッション(恵那市明智回想法センター)

11月6日(金)おもいでカフェで、認知症講座&ディスカッションを行いました。講師は明智回想法センター管理者で日本福祉大学の来島修志理事が担当しました。

今年は、6月と8月に「認知症について学ぼう」と題して講座を行ってきました。今回はそのまとめとして、これまでの講座を振り返りながら参加者の方々と話し合いました。

講座では、主に二つのことを振り返りました。

一つは、認知症になると見当識が分からなくなるということです。何月何日や季節などが分からなくなったり、今まできちんと生活できていた人が、同じ物をたくさん買ったり、家の中が散らかったままになったりすることがあります。そのような行動が見られたら認知症の兆候かも知れません。早期発見のために、身近な方を見守って欲しいと伝えました。

もう一つは、定年後の生活習慣のお話しです。定年は最初の危機と言われています。これまで、働き盛り、家事の中心を担ってきた人が定年を迎えると、活動や楽しみや役割が減り、その結果、家に閉じこもりがちになることがあります。これは非常によくありません。定年後のボランティア活動や、楽しみ、趣味を見つけると認知症予防になります。頭を使う生活をしましょうと呼びかけました。

その後、質疑応答の時間となりましたが、参加者の方々から様々な疑問や経験談をお話しいただき、途中からはディスカッションとなりました。

ご自身の親御さんを介護されている方は、その経験から、施設選びの苦労や、どういった施設が向いているかの見極め方などについてお話しいただきました。例えば、デイサービスを利用する場合、ほったらかしではなく人間らしく活動できる施設が良いなど、ご家族として親御さんが気持ちよく利用できる施設を選びたいというお気持ちが強く伝わって来ました。

また、自分の老後の生活についても全員で思いを巡らせました。定年後、活動的な生活を送りたいが、どんな方法が良いのでしょうか。可能な限り働くのが自分らしい生き方という方もいらっしゃるかも知れません。

また、現在老人クラブに入って活動されている方も居られます。老人クラブに入るメリットは?デメリットもある?という話題になりました。世代が違うので入るのに壁を感じるという方もいらっしゃいました。

メリットとしては、花壇の世話などの老人クラブの活動を通して、近所の方と交流でき、ご近所の様子を知って地域の見守りができるようになることがあります。入りにくいという若い方には、もう少し気楽な活動が良いかも知れません。
講師から、新しい世代に合わせた歩み寄りが大事だと伝えていました。

参加者の方がおっしゃった言葉が印象に残っています。

「残された人生をどう生きるかが大事。社会から離れないで存在していく。この考えをどうしたら広められるでしょうか。」と。

とても大切なことだと思います。元気はつらつと、自分らしく生きる高齢者の皆さんの姿を全国各地で発信していくことが、明るい未来に繋がると思います。

写真と文 林奈央子
※シルバー総合研究所は、恵那市明智回想法センターの管理運営を行っています。

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