第6回 地域回想法サミットin宮崎

回想法分野で日本をリードする方々を招いて『第6回地域回想法サミット』が11月16日〜17日、宮崎市民プラザで開催されました。

回想法は過去の懐かしい思い出を語り合うことで脳が刺激され、認知機能を改善することを目的とした心理療法です。認知症高齢者のリハビリのみならず、地域の高齢者に対する健康増進や介護予防の方策のひとつとして、また、子どもたちへの文化の伝承という教育的なツールとして地域づくりに応用されています。(サミットチラシより)

・第6回 地域回想法サミットin宮崎
・開催日 2019年11月16日(土)〜17日(日)
・場 所 宮崎市民プラザ(宮崎県宮崎市)
・主催 医療法人ハートピア細見クリニック

1日目は、回想法の実践者が多く参加し、専門的な講義やポスターセッションが行われました。基調講演は、「共生社会と回想法-回想法の歴史から-」野村豊子氏(日本福祉大学大学院客員教授)、教育講演は「園芸療法と回想法」岩崎寛氏(千葉大学大学院園芸学研究科 准教授)、「アートと回想法」林容子氏(一般社団法人アーツアライブ代表理事アートマネージメントアドバイザー)、「音楽ケアと回想法」藤林明子氏(bunne Japan株式会社 チーフインストラクター)でした。回想法をキーワードにした園芸、アート、音楽による最新のセラピー、高齢者へのプログラムが紹介されました。いずれも認知症やうつなどに対するアプローチとして非常に興味深いものでした。

2日目は、市民公開講座が開催され、地域の高齢者や行政の方々が多く参加されていました。オープニングでは、高齢者や子供たちで編成された音楽回想パフォーマンスが披露され、会場に笑顔が広がっていました。

特別講演は、「豊かな高齢社会を目指して〜回想法の応用と展望〜」遠藤英俊氏(国立長寿医療研究センター老年内科部長・長寿医療研修センター長)、基調講演は「地域回想法を広げていくために〜博福連携の事例を通して〜」市橋芳則氏(北名古屋市歴史民俗資料館 館長)でした。回想法の認知症予防への効果、全国に広がりをみせている博物館と福祉の連携事業が紹介されました。

シンポジウム「地域回想法の実践事例を通して地域づくりを考える」では、座長に来島修志氏(日本福祉大学健康科学部助教)、シンポジストとして小島恵美氏(愛知県北名古屋市高齢福祉課 保健師)、大口勝由氏(北名古屋市回想法スクール卒業生の会いきいき隊)、永森敏子氏(富山県氷見市ほっこり回想クラブひみ代表理事)、松田ヒトミ氏(医療法人ハートピア細見クリニックデイケア科長)が登壇し、各地で展開している地域回想法の取り組みについて報告がなされました。

当ホームページでも毎月紹介させていただいておりますが、北名古屋市の回想法スクールを終えたいきいき隊の活発な自主活動はすばらしく、地域の中で役割を発揮しており、なんとか宮崎でも取り入れたいとの声が上がっていました。

最後に来島氏より「サミット宣言2019in宮崎」が発表されました。

(サミット宣言2019in宮崎)
☆地域の回想法は活動が自由に広がり人が集まり、人が地域がつながる!
☆認知症の人とも共に語り合おう!
 認知症になっても、安心できるやさしいまちづくりに向けて
☆継続は力なり!これからも情報を発信し、情報交換できる場をつくっていこう!

ポスターセッションも20演題が発表され、活気に満ちたサミットでした。

写真と文 桑野康一

2日目のオープニング
ギター演奏は細見潤氏(ハートピア細見クリニック 理事長・院長)
遠藤英俊氏(国立長寿医療研究センター老年内科部長・長寿医療研修センター長)
市橋芳則氏(北名古屋市歴史民俗資料館 館長)
小島恵美氏(愛知県北名古屋市高齢福祉課 保健師)
地域回想法の定義 小島恵美氏
大口勝由氏(北名古屋市回想法スクール卒業生の会いきいき隊)
永森敏子氏(富山県氷見市ほっこり回想クラブひみ代表理事)
松田ヒトミ氏(医療法人ハートピア細見クリニックデイケア科長)
サミット宣言2019in宮崎
来島修志(日本福祉大学健康科学部助教)
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