12月13日から15日までの3日間、タイム24(東京都江東区)にて、第50期パーソン・センタード・ケアと認知症ケアマッピング基礎研修を開催しました。北は北海道から南は沖縄まで、認知症の方のケアに携わる専門職や家族介護者など37名が参加しました。
2004年から始まったこの研修は、14年を経て50回目の開催となりました。毎回定員割れすることなく続いてきたことには、パーソン・センタード・ケアに対する関心が消えることなく、影響を持ち続けていることなのだと思います。
今後も、ブラッドフォード大学認知症ケア研究室、認知症介護研究・研修大府センター、水野裕ストラテジックリード、トレーナーの皆さん、NPO法人シルバー総合研究所、NPO法人パーソン・センタード・ケアを考える会、JPDネットワーク、マッパーの方々など多くの方が連携協力して、パーソン・センタード・ケアの普及啓発が継続していくことを願っています。
今回は研修の内容と、懇親会の様子を写真でお伝えいたします。

施設に入居しているエヴァさんの映像(イギリス制作)を見て、彼女が発しているサインから、パーソン・センタードなアプローチを導き出すグループワーク。

認知症をもつ人の行動を観察記録するコーディングを学びます。A〜Zまで23のアルファベットで行動をあらわします。トレーナーが演じているのは、C(周囲に無関心で、自分の世界に閉じこもっている)のコード。研修の終わり頃には、その人がどのような1日を過ごされたか記録から読み取れるようになります。

1日目の終わりには、懇親会で親交を深めます。この日はJPDネットワーク(研修修了者の自主的な全国組織)の方々も参加し、研修終了後のフォローアップ体制などについて説明がありました。

研修導入時から、通訳や翻訳を担当している中川経子さん。毎回懇親会に駆けつけて、パーソン・センタード・ケアに対する想いや期待を熱く語っていただいています。右はコースリーダーの水野裕先生。

イギリスの研修会場には、レストランやバーが併設されていて、研修後トレーナーや参加者とくつろぎながら会話を楽しむことができます。その雰囲気を味わってもらうために、日本の研修会場(大府センター、東京会場)でも懇親会を行なっています。

トレーナーが演じる認知症をもつ人を観察して、コーディングの練習を行ないます。トレーナーの水野先生が演じるレビー小体型認知症をもつ佐藤三郎さんが、実際には見えない犬に話しかけている場面です。

ぬいぐるみの犬をかわいがっていた佐藤三郎さんから、食事の時間だからと、スタッフがぬいぐるみを取り上げてしまう場面。このロールプレイでは、「個人の価値を低める行為(PD)」、「個人の価値を高める行為(PE)」の記録についても学びます。

佐藤三郎さんのロールプレイから、パーソン・センタードなアプローチを導き出す演習。佐藤三郎さんが示した「サイン」から、その時佐藤さんが何を感じていたか、「心理的ニーズ」や、その背景には何が影響していたか、「パーソン・センタードモデル」を使って、具体的なアプローチ(かかわり)を導き出す演習です。


写真と文 桑野康一
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