障子のある暮らし

明智回想法センター職員による秋のイベントとして障子貼りをしました。

昔の品々が展示してある本館と旧大塩医院の診察室があった別館と茶室があり、障子戸と言われる建具が大小合わせて33枚あります。そのうち12枚が雪見障子と言われるものです。また1枚の障子戸が1メートルを超すものが4枚、その雪見障子は横開きで凝った作りがしてあります。

すでに茶色く変色し長年の使用で破れ、花の形に切った障子紙または色紙で直してあったり一部のみ張り直してあったりで、桟から剝がすのもとても難儀で何日もかけて作業しました。部屋から障子を外すことも、障子紙を剥がすことも、障子の桟を洗うのも、新しい障子紙を貼ることも大変なことでした。

門前の小僧というたとえがありますが、一つ一つの作業は子どもの頃、お母ちゃんやおばあちゃんが、お正月の前になると「正月が来るでのう(東濃弁)」と言って貼り替えていたことを思い出します。「貼った後、口に水を含んで、プーっと吹いていなかった?」とか「手をかける所が無い障子戸は手掛を障子で作るんだったよね」とか、回想に耽りました。

貼り替えた後は古い部屋がみるみる淡い日の光に包まれ、心落ち着く空間へと変わりました。

どうぞ、皆さま、忙しい時を忘れ、ゆったりと昔ことを思い出しに、明智回想法センターへお越しになりませんか。

写真と文 吉田あけみ

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