秋の味覚の思い出〜第26回 回想ラヂオより

回想ラヂオ2023年10月6日 思い出歳時記 止まらな〜い話「秋の味覚の思い出」

柿ぐらいしか作ってなかったですね。我が家にも柿の木が一本あったんですけどね。他の家の柿のほうが美味しく見えるんですね。我が家のは、ふゆがき(富有柿)ではなく渋柿が入っているものなんで、他の家の柿を食べましたね。柿は皮ごと食べたら駄目ですね。腹を何度も壊したことがあるので、必ず皮をむいて食べますね。我が家のは直径30㎝ぐらいの大きな柿の木でして、そこに縄を吊るしてブランコを作ったり、木に登ってそのまま家の屋根に上って走り回って叱られたりもしました。高い場所が好きだったので。一斗樽に焼酎をどんぶり一杯分入れて、その上に網を敷いて渋柿を置いとくと一週間程で甘くなるんですよね。(大口さん)

柿とイチジクですね。よその家にはイチジクの木がありましたね。友達の家にもあったんで、学校帰りに一緒に食べて皮をそこに捨てたらえらい怒られて。それ以降はビニール袋を持っていってそこに入れるようにしました。家の隣がお寺さんで、家の窓を開けるとその寺の柿が取れたんですよ。多く実がなった時はお寺の人がざるに入れて分けてくれました。(坂本さんご主人)

まだまきで風呂を沸かしていた頃に、まきと一緒にさつまいもを入れて焼いてました。焼くと周りは真っ黒になるんですけど、中を開けると真っ黄色で、もうその味が忘れられません。それから直ぐにガスで風呂を沸かすようになったので、小さい頃だけの思い出ですが。(坂本さん奥様)

記録者名:森本貴大
感想:食べ物が豊かにある現代とは違って昔は食べ物がそれほど多くなかったと思うが、柿やイチジクのような果物のなる木は現代よりずっと身近にあっただろうから、それにまつわる味覚の思い出は多くの年配の方々に残っているのだろう。家の周りに果物の木など一本もなかったためそういった経験をしていない私からしたら魅力的でうらやましい思い出である。そういう美味しい思い出の有無まで含めると、現代と昔のどちらのほうが豊かなのか一概に言えないようにも思えてくる。

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