大牟田市ほっと・安心ネットワーク(福岡県大牟田市)
福岡県南部の市が共同でおこなった大規模訓練
大牟田市の見守り・SOS模擬訓練は、平成16年から、駛馬南地区の住民ネットワーク「はやめ南人情ネットワーク」を中心とした取り組みから始まりました。その後、訓練の範囲を拡大しながら、毎年1回のペースでおこなわれています。平成19年には訓練の範囲を市内全域に拡大した「模擬訓練inふくおか県南」がおこなわれました。訓練には、大牟田市、久留米市、筑後市、大川市、柳川市、みやま市、黒木町と、福岡県南部の7つの市町村自治体が参加しました。
認知症になっても安心して住み続けることができるまちづくりに活用
訓練は一つの小学校区を単位としておこなわれます。この年は、9つの小学校区で同時におこなわれました。
午前9時半頃「雨が降るので子供を迎えに行く」といって家を出たままもどらない本人の所在不明に気づいた家族役が、警察に連絡するところからスタートしました。警察署は、個人情報などの同意を家族に得て、ネットワーク協力団体へ電話・FAX・電子メールなどで情報を発信しました。
認知症の高齢者役は、事前にある程度設定されたコースを歩きます。同時に、認知症の高齢者役によく似た人14人が同じように市内を歩き回りました。これは、捜索中の認知症の高齢者発見と、認知症の人かもしれない人への気づきや声かけの訓練を目的としています。この日、小中学校生を含めて97人の市民が15人の認知症高齢者役に声をかけたということです。
大牟田市では、このようにして、見守り・SOS模擬訓練を「認知症になっても安心して住み続けることができるまち」のまちづくりに活用しています。
大牟田市に住所を有する65才以上の高齢者に係わる保護状況
(平成19年度)
発見・保護件数 (カッコ内は認知症件数) |
124(87)件 |
発見者
一般人 | 警察 | タクシー |
101件 | 21件 | 2件 |
認知症の高齢者役に声をかける住民
認知症の高齢者役に声をかける中学生
終了後の交流会