恵那市回想法基礎研修

6月23日、恵那市役所にて「恵那市回想法基礎研修」が行われました。
講師は当センター管理者で日本福祉大学で回想法を専門にしている来島修志です。
市内の専門職、民生委員、ボランティアなど、地域福祉に関わる方々が参加しました。

 
 

回想法の目的や基本的なやり方を学び、地域で実践し認知症予防の活動として広めていただくための研修です。
回想法の司会者(リーダー)や、リーダーを補佐するコ・リーダーの役割を理解し、高齢者の方々が多いに回想をめぐらせ、脳を活性化できるようにするための技術や、配慮すること、使用する道具などをご紹介しました。

 
導入として、回想法センターから昔の道具を持参して参加者の方にお見せしました。 
受講生の方「アルミの弁当箱のフタにお茶を入れて飲んだ」
来島「こんなふうでしたか?」
 

その後、実際に受講生の方々でグループを作り、回想法を体験していただきました。
 
 

  
すると、次々といろいろな思い出が飛び出し、なつかしいひと時を過ごすことができました。
難しく思われがちな回想法ですが、みんなで思い出を語り合うことが回想法です。
まずはやってみることが大切です。
 
 
回想法が終わったら、どんなお話が出たかグループ交流をします。
 

  
また、今回は20代~90代まで幅広い年代の方にご参加いただき、世代間交流ができました。
昭和初期の出来事を聞いた20代の方は「勉強になりました。ぜひ仕事に活かしたい。」と言ってくださいました。
90代の方からは修身と道徳の違いのお話しを聞くことができました。
「修身」は自ら身につけるもの、「道徳」は人から聞いて学ぶもの、だそうです。
このようなお話は、日常会話ではあまり聞けないと思います。
しかし、知っていると知らないのでは人生の豊かさを左右する貴重なお話しです。
回想法には、このような普段はできないような会話のきっかけ作りをする役割もあります。
 
 
 
子どもを持つ母親の参加者からは、「今の子どもたちに何を残してあげたらいいだろう?」という感想をいただきました。
昔は食べ物や日用品がなく、みんな物を大切にしていました。
しかし、現代では生活の質が上がり、何でもすぐに手に入るようになりました。
遊びも、昔の子どもは自分で工夫していましたが、今はみんなゲームで遊んでいます。
このような時代の変化の中で、物を大切にする心や、少しの逆境ではめげない忍耐強さなど、少しずつ忘れ去られているのではないでしょうか。
忙しい毎日だからこそ、立ち止まって自分たちの今を見つめなおす時間が大切です。
 

 
高齢者の方には、人生で掴んだ知恵や教訓をを次世代に伝える役割を持っていただき、生きがいにしていただく。また、普段は脳の奥にある記憶を回想法をきっかけに思い出していただき、認知症予防ができる。

若い世代にとっては、先の時代を生きて来た方々の話を聞き、今の時代がどのように形作られてきたを知り、感謝の気持ちを実感できる。自分の人生に何を活かしていったらいいのか?、いま自分の子どもにどんな体験をさせてあげたらいいのか?を考えるきっかけになる。
 

 
このようなことを感じていただけた研修だったと思います。
今後の課題としては、研修をどのように実践に繋げるかということです。
話を聞いて終わりではなく、ぜひご自身のフィールドで試していただきたいです。
実際にやってみると、「これでいいのかな?」「話が広がらない。」「質問しても覚えてないと言われた。」など様々な疑問が沸いてくるのではないでしょうか。
それをカバーするためのレベルアップ研修も必要かと思いますので、恵那市での実現を目指したいです。

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