6月20日、恵那市のケアネジャーの方々が集まり、情報交換をするケアマネ連絡会に参加しました。
明智回想法センターで行っている認知症カフェについて発表する時間をいただき、PRを行いました。
当センターの特色は、旧大塩医院の古い建物を活かし、懐かしい雰囲気の中おくつろぎいただけることです。
また、職員は回想法リーダーができ、訪れた方々に思い出話を伺って脳の活性化を図ることができます。
そんなカフェの様子を、スライドで写真も紹介しながら、ケアマネジャーの皆様にご覧いただきました。
認知症を持つ方とご近所の方が和気藹々とお話しされている様子や、高齢者の方ならではの知識や
知恵をうかがったことなどをご紹介しました。
「子どもの頃、イタドリの皮をむいて、塩をかけて食べたのが美味しかった。当時は美味しいと思っていた。今は他に美味しいものがたくさんあるからまずいと感じる。」というお話しや、長野県に伝わる武田対上杉の川中島の戦いを伝えるお手玉歌など、聴いているとのんびりと心安らぐ感じがして、普段は忘れている食べ物を貴重だと思う心や、故郷の言い伝えを伝えていく気持ちを思い出しました。
左:イタドリの葉 右:川中島の歌
しかし、まだまだ恵那市では認知症カフェが浸透しておらず、開催を知った一部の方にご参加いただけている状態です。
他の運営者の方々もそれぞれプレゼンを行い、認知症カフェの目的と活用方法のご提案を行いました。
私たちの目的は、市民の方々が気軽にカフェに集い、おしゃべりを楽しみながらいろんな世代の方と交流し、仲間づくりを行っていただくことです。
井戸端会議のように、ご近所同士で絆を深めていただく場としてご利用していただければと思っています。
また、介護予防の一環として、「でかける」「しゃべる」「伝える」の3つの「る」を実践していただき、思い出話をして脳を活性化して、自然な会話の中で認知症の予防を体験していただくことが普段の健康に繋がります。
ご自身の健康や認知症に関心のある方、また、認知症を持つ方への支援に関心のある方、
そして当事者の方とご家族の方が集い、交流を深めながらお互いの思いを伝え合い、
地域みんなで当事者の方を支えていけるような町になるように、そのきっかけとなる場を
ご提供したいと思っています。
私たちのプレゼン後に、グループごとの話し合いも行われました。
「連れていきたい人が居ても交通手段がない。」
「開催日が平日だと仕事をしている家族の方は本人を連れて行けないと思う。」
などのご意見がありました。
場所については、当センターへ来るには車が必須で、誰かが送り迎えしないと参加が難しいことや、送迎しようにも何の保障もないのでは事故が怖くて連れて行けないなどのご意見は、以前から各所でいただいています。
しかし、こちらでは送迎車を用意する予算がなく、現状ではご自身でお越しいただく形を取らざるを得ません。
開催日も、こちらの都合で申し訳ないのですが、今のところ土日開催は難しいです。
当事者の方やご家族の方からは、失敗が怖い、みんなの前に本人を連れて行きにくい。連れて行くのが負担だという声もあります。
良い面もあり、課題もある認知症カフェですが、認知症になっても安心して暮らせる地域づくりのためには、当事者の方と地域の方がふれあう場が必要です。
ご本人が出歩きたくないと思うのは、恥をかくのが嫌だからという理由が大きいと思いますが、認知症という病気になったら気軽に出歩く権利もなくなってしまうのでしょうか。
絶対にそんなことはないと思います。そのため、地域の方が病気の症状を理解し、
あたたかくご本人を迎えられるような意識の持ち方が必要です。
現実は厳しいことも多いですが、認知症から目を背けるのではなく、
共に暮らす地域の仲間として手を差し伸べられるような町でありたいと思います。
「認知症になったら専門職に頼む、それ以外の人の前に家族を晒したくない。」
と思う方が居るかも知れませんが、ご本人の本当の願いとは何なのでしょうか。
私は、病気のなる前のように、自分らしく、いろんな仲間と関わりながら自分を認めてもらい、楽しく毎日を過ごしたい、ということではないかと思っています。
認知症カフェは、それを考えるきっかけにもなります。
なかなか、コレが正解というやり方がないので難しいですが、
試行錯誤して続けていきたいと思っています。
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