令和5年、長谷川さんの息子さんのご厚意により季節ごとの素朴画を明智回想法センターに展示することになりました。展示は1点のみですが、実物の素朴画を是非ご覧ください。季節ごとに入れ替え展示いたします。
追憶・・・私たちの幼い頃、おじいちゃん・おばあちゃん・おとうちゃん・おかあちゃん・お兄ちゃん・お姉ちゃん・弟・妹、というように何世代もの家族が一つ屋根の下一緒に暮らしていた良き時代がありました。生活は、現在のように楽ではありませんでした。食事を作るにも、百姓をするにも、風呂に入るにも、薪を作るにも、どれをとっても大変なことで、大人から子供まで生活を支えていました。そんな生活を思い出させてくれるのが「素朴画の詩画集 追憶」です。
素朴画は、見る者の記憶の奥の当時楽しかったこと、苦しかったこと、辛かったこと、雪が降った後の匂い、薪が燃えるときの匂い、サンマを焼く匂い、草を焼く匂い等々すべてを思い出させてくれます。
長谷川さんの絵は、全部で36点あり、絵の細部に描かれた人物の表情やしぐさにストーリーがあり主人公がいます。そのすべてが、温かい詩歌のような絵で、四季折々の昔懐かしい農村の風景や人々の姿が見る者の心を癒してくれます。
また、シルバー総合研究所では、長谷川三千夫『追憶』素朴画特別展のホームページを作成いたしました。長谷川さんの素朴画を個人で楽しまれるとともに、世代をこえた交流や地域の方との回想法、高齢者施設での認知症の方との回想法などにご活用ください。
写真と文 吉田あけみ