9月は認知症を知る月間(世界アルツハイマー月間)です。その期間中の9月7日(土)当明智回想法センターにおいて、年に一度の「回想法センターまつり」を開催しました。今回で18回目を迎えますが、初めの頃とは内容もやり方も変わってきていますが、ただ一つ変わらないものは、「回想法を通じて皆さんと繋がる」というテーマです。
開幕は、今年米寿を迎えられ、音楽療法士・ゲートボールの選手・花アドバイザー・学童保育の先生など、現在も現役でバイタリティーあふれる鈴木美代子先生による、懐かしの歌〈あのうたこのうた〉から始まりました。丁寧に手話を交えて挨拶をされ、B紙に大きく毛筆で歌詞を書いた紙をホワイトボード一面に貼り付け「ふるさと」「アザミのうた」「里の秋」「もみじ」「柿の木坂」「青い山脈」・・・等、秋の旅情歌と昭和歌謡曲を皆さんで大きな声で大合唱されました。参加者の皆さんも先生の高音の声に圧倒されながらも大いに楽しまれていました。
続いて、恵那市の図書館サポーターの足立伊公子さんの大人の紙芝居では、「金色夜叉」「続金色夜叉」と芝居がかった所作で皆の気持ちを引き付ける魅力的な紙芝居でした。足立さんは東濃歌舞伎保存会に属しておられる役者さんでもあります。当日のお召し物は金色夜叉に合わせて戦前の銘仙、2尺袖という少し長めの袖の着物を着て来て下さりとても雰囲気良く素敵でした。普段の紙芝居は、「舞台」と言われる紙芝居を立てて見せる入れ物がありますが、遠くが見えづらい方への配慮の上、スクリーンに映して大きく見せていただき大盛況でした。また「金色夜叉」の続編は参加者の皆さんにとって初めて聴くお話で、「続きがあること知らなんだ!」「物語がよくわかった!」と驚きの声があがっていました。
最後は、当回想法センター管理者、日本福祉大学の来島による講演会、テーマは「認知症予防と回想法」でした。脳の病気、アルツハイマー病などの原因の病気について、早期発見が大切であり、①冷蔵庫の中に同じ物がいっぱい入っている、②買い物がうまくできない、③財布の中が小銭でいっぱい、④新聞がうまく片づけられない、⑤ATMが使えない、⑥さっき話したことを繰り返してしまう、⑦物を探すことが多くなる、⑧質問や確認が増える、⑨不安や愚痴が増える、などがみられないか、家族が注意することが大切だということです。認知症予防のためには生活習慣病の予防に努めること、日々の生活の中で「3つのる」が大切と学びました。
で か け る し ゃ べ る つ た え る |
このようなマグネットステッカーを作成し、冷蔵庫などに貼っていただくように参加者の皆さんにプレゼントをしました。
写真と文 吉田あけみ