明智回想法センターの庭は、旧大塩医院から引き継いで、面積は2,100㎡もの広さがあります。
早春、サツキの根の間の福寿草の可憐な花から始まり、フキノトウ、水仙、梅が薄桃色の花をつけ、こぶしの花も咲き出します。なんと蕨、フキ、ウドも生えてきますよ。木々が薄黄緑色の芽を出し始めると桜の花が満開になり、見る者を楽しませてくれます。
そして5月になると白藤の花の良い香りが、そこかしこから漂ってきます。6月に入るとサツキの花が赤や白やピンクと一斉に咲き誇り、梅雨時のうっとうしさも吹き飛ばしてくれます。庭園内には4本のヒトツバタゴの大木があり、雪をまとったかのように白い花を見せてくれ、甘い香りを漂わせます。泰山木が白い大きな花を咲かせ、榎が大きく枝を伸ばして葉をいっぱい茂らせ、柿の木も3本、一年おきに沢山の実をつけてくれます。そして楓の木、さんごもみじの木が赤や黄色に紅葉し、晩秋まで楽しませてくれます。中でもバットの木と言われているアオダモの木が2階の屋根を越すほどに大きくなり、広葉樹独特の大きな葉を晩秋には全て落としてしまいます。
その広い庭の手入れは、毎月2回の「ちょこぼの会(チョコットボランティア)」の皆様による草取りと、壮健クラブ(老人クラブ)の皆様による年5回の草取り、いろいろな会のボランティアの皆様の手によって美しい庭は保たれています。
この素晴らしい四季折々の景色と癒しを感じられる場所に、回想法を経験されるシニアの方々のみならず、子供からお年寄りまでの世代間交流の場としても活用されています。どうぞ一度、いえ何度でも遊びにいらしてください。お待ちしております。
写真と文 吉田あけみ