1.団体の概要
項目 | 内容 |
---|---|
団体名 | 田原市中央図書館 |
住所 | 〒441-3421 愛知県田原市田原町汐見5番地 |
電話 | (0531)23-4946 |
投稿者名 | 齋藤 暢子 |
ホームページ | https://www2.city.tahara.aichi.jp/section/library/ |
運営者・代表者名 | 田原市中央図書館 館長 是住 久美子 |
回想法活動にかかわっている担当者(人数) | 図書館職員:4名 ボランティア:7名 |
活動の沿革 | 2011年 元気はいたつ便(高齢者施設への訪問サービス)開始 2012年 図書館資料の団体貸出配達サービス開始 2018年 音読タイム開始 2020年 オンライン版音読タイム開始 |
年間の活動スケジュール | ①元気はいたつ便(訪問サービス):毎月2~3回程度 50分 ②団体貸出配達サービス:毎月第3金曜日 ③図書館でいきいき!音読タイム:毎月第4金曜日 10:00~11:45 ④しおさい大学:依頼があれば 年1回13:30~15:00 |
2.活動
活動の紹介① 元気はいたつ便(訪問サービス)
目的:図書館への来館が困難な施設の入通所者(高齢者や障害のある方)のもとへ出向き、図書館が所蔵する民具や資料等を活用した回想法を実施し、介護予防につなげる。
対象:田原市内の訪問サービスを希望する高齢者施設等
回数:1施設年1回(2024年8月時点で市内27施設・団体に実施)
時間:50分
場所:高齢者施設等
活動の内容:事前に施設へ希望調査を行い、「元気プログラム」か「グループ回想法」どちらかを選択してもらう。
- 元気プログラム
回想法30分+レクリエーション20分のプログラム。
回想法は古い民具や写真パネル等を持参し、見て聞いて触れて、それにまつわる思い出などを語ってもらう。レクリエーションは、紙芝居やパネルシアターに寸劇を取り入れたものや、手遊び、クイズ、合唱など、施設側の希望を取り入れ実施。 - グループ回想法
古い民具や写真パネル等を使用した回想法のみの50分のプログラム。参加者を少人数のグループに分け、実施する。
施設スタッフの声:「(利用者が)いろいろな道具に触れ、昔の事を思い出し、若い頃の話で盛り上がっておられました。」「いつもは、レクリエーションにあまり積極的に参加されないご利用者様が、手拍子をしたり、拍手をして表情よく参加されていました。」
活動の紹介② 団体貸出配達サービス
目的:図書館への来館が困難な施設の入通所者(高齢者や障害のある方)や、施設スタッフの求めに応じた図書館資料(図書、雑誌、CD、民具)を配達することで、入通所者の娯楽や、介護予防等に役立てる。
対象:田原市内の団体貸出を希望する高齢者施設
回数:1施設月1回(2024年8月時点で市内14施設に配達)
場所:高齢者施設
活動の内容:入通所者や施設スタッフからのリクエストに応じた資料や、「おまかせパック」として、元気はいたつ便スタッフが選んだ20~50冊の資料を、毎月第3金曜日に施設へ配達。おまかせパックの主な内容は、入通所者向けに時代物小説等の大活字本や、手芸、園芸、花等の趣味に関する本、山、風景、観光地、動物等の写真集、皇室の写真集、戦前戦後の歌謡曲や唱歌のCD、郷土がテーマの本等。施設スタッフ向けに介護専門雑誌、行事、イベント、レクリエーション、回想法の解説本、高齢者向けの料理本等。
施設スタッフの声:「選んでいただいた本を見て入居者の方々といろいろな話をすることができて助かっています。」「本を参考にお菓子を作ったり、歴史を学んだり、レクのツールとして役立っております。」
活動の紹介③ 図書館でいきいき!音読タイム
目的:図書館へ来館可能な、主に高齢の利用者に対し、音読(声に出して文章を読むことにより脳を活性化させる効果があると言われる)や回想法、脳トレを兼ねたレクリエーションを実施することで、参加者同士の交流を図る。また、孤立しがちな高齢者のサード・プレイスとして図書館が活用できることを周知する。
対象:図書館に来館できる方ならどなたでも
回数:月1回
時間:毎月第4金曜 10時30分~11時45分
場所:図書館 こどもしつ
活動の内容:元気はいたつ便スタッフが月替わりでテーマを考え、それに沿った内容の音読、回想法、本の紹介を実施。楽しみながら脳トレにもなるボードゲームや、手遊び、椅子に座ってできるヨガ、折り紙、絵本の読み聞かせ、イントロクイズなども実施している。
参加者の声:「脳トレ、音読と内容が豊富でおもしろかったです。」「いつも季節に合わせた話題を用意していただいてありがとうございます。」「体を動かし、大声で笑え、今夜はぐっすり?ありがとうございます。」
なお、新型コロナ感染症の流行をきっかけに、自宅でも音読を楽しんでいただければとHP上で音読用のテキストと音声データを公開している。オンラインの環境さえ整っていれば、いつでもどこでもどなたでも体験可能である。
2024年8月時点で33作品が公開されている。
https://www2.city.tahara.aichi.jp/section/library/info/ondoku_at_home.html
活動の紹介④ しおさい大学
目的:懐かしい昭和の道具を見て、触れて、思い出を語り合うことで、楽しみながら認知症予防につなげる。
対象:田原市主催の高齢者向け生涯学習講座に申し込みいただいた方
回数:依頼があれば 年1回
時間:90分
活動の内容:「健康づくりと生きがいのある豊かな人生を目指す」をモットーに、田原市が主催する生涯学習講座「しおさい大学」(年12回開催)の1コマを受け持ち、回想法講座を実施。参加者をランダムにグループ分けし、グループごとに元気はいたつ便スタッフをファシリテーターとして配置。参加者の子ども時代に流行した生活道具等を用いて、それにまつわる思い出を語り合う。その他、音読や昭和歌謡の合唱など、楽しみながら脳トレと他者とのコミュニケーションを図る。
参加者の声:「こういう昔話をするのは久しぶりで楽しかった。」「(昭和歌謡を歌って)学生運動を思い出した。私はこうみえて活動的だったのよ。みんなでデモに行ったりしてね、懐かしいわ。」「子ども時代、関西に住んでいたから、見たことのない道具ばかりで逆に新鮮。関西では違う用途で使っていた道具もあって驚いた。」
3.活動の成果や成果物など特に紹介したいこと
回想法に使用する多くの民具は、募集の案内をして、市民の皆さんが寄贈してくださった物や、博物館から借用した物である。HPでは民具のリストを公開しており、団体貸出サービスの登録をした施設であれば貸出可能である。同じくHPで、高齢者向けの紙芝居のリストも公開しており、こちらは貸出カードをお持ちの方であれば、どなたにでも貸出可能である。
4.今後の課題、取り組みたいこと
- 訪問サービスに携わるボランティアの高齢化と、それに伴う新しいボランティアの募集と育成。
- 市役所関連機関と地域との連携。
5.その他
元気はいたつ便(訪問サービス)は、職員2名と研修を受けたボランティア2名で実施するのだが、職員だけでは行き届かない点を、人生経験豊かなボランティアが、目配り心配りしてくれている。ボランティアのみなさんのお力添えあっての、元気はいたつ便事業である。